好奇心と笑いのツボを刺激する教養番組「植物に学ぶ生存戦略 話す人山田孝之」が面白すぎる

Asakura Mika

チューリップの花は、8日間で猫ひろしから舘ひろしぐらいまで大きくなる。

『植物に学ぶ生存戦略 話す人山田孝之』は、シュールだけど強烈なインパクトのある表現で笑いと知識を与えてくれる教養番組です。

 

この番組では、俳優の山田孝之さんがチューリップやウメ、タンポポなど身近な植物や個性的な植物が厳しい自然界を生きるための戦略を教えてくれます。

私も初めて観た時、寄生植物のネナシカズラを「クズでヒモな男性」と重ねるシュールなセンスに思わず笑ってしまいました。

2021年3月25日に待望の最新作が放送されますので、ぜひ多くの方に観て楽しんでいただきたいと思い、紹介させていただきます。

 

「植物に学ぶ生存戦略 話す人山田孝之」とはどんな番組?

『植物に学ぶ生存戦略 話す人山田孝之』は、NHK Eテレで不定期に放送される教養番組です。

2018年から放送開始した番組で、1年に1~2回新作が放送されてきました。

放送時間は30分。

10分の番組を3本繋げた構成で、10分間で1つの植物を取り上げて紹介しています。

植物の解説を担当するのは、俳優の山田孝之さん。

山田孝之さんの解説を聞いて質問する役割を、NHKの林田理沙アナウンサーが担当しています。

 

ここまで聴くと真面目な番組のようですが、本作は少し違う面白さを持った番組です。

山田孝之さんがユーモアあふれるたとえで植物の知られざる生態を淡々と教え、それを林田アナが真顔で「そうですか」と返す。

まるでコント番組のような掛け合いが最高に笑える番組なのです。

2020年8月に第4弾が放送された時は、Twitterトレンド入りを果たしたほど多くの人々に注目されました。

学生時代に理科が苦手だった人も、笑える解説にどんどん引き込まれるはず。

私も植物の知識は豊かでない方ですが、解説の面白さと山田孝之さんと林田アナの掛け合いにハマり、録画を繰り返し観るほど大好きになりました。

なぜここまでハマれるのか、そのしたたかな番組の戦略を紐解いてみようと思います。

面白さを具体的に紹介するためネタバレを含みますので、ご注意ください。

 

興味の引きつけ方が絶妙

この番組は、視聴者の興味を最初から掴んで離しません。

植物を紹介する前に、ハアハアと息を荒くしたおじさんが林田アナの前に現れるなど、予想外の展開から始まることがあるのです。

視聴者は一体何が起きているのか分からない状況になりますが、 林田アナを助けた山田孝之さんが今回の植物の生存戦略と関係があると解説していきます。

この時に紹介した植物はキャベツ。

料理に欠かせないキャベツですが、外敵であるアオムシに襲われた時にSOS信号を発し、アオムシサムライコマユバチを呼びます。

一見植物と関係がないように見えた前振りは、実はこの前振りはキャベツの外敵への対処法を再現したものだったのです。

迫ってくるおじさんに林田アナウンサーが助けてほしいと思った時、山田孝之さんがSOSを察知。

自分の持つ「スターのオーラ」でおじさんを退散させたと山田孝之さんは言います。

植物の特徴を、人に置き換えてユーモアたっぷりに解説するので、笑いながら新たな知識を学べるところがこの番組の魅力なのでしょう。

 

芸能人ネタ、時事ネタを盛り込んだ解説が最高に笑える

本作の面白いところは、フリップを使った植物の解説にあります。

キャベツの回では、食べ物の印象が強いもののれっきとした植物であるキャベツと、カラフルなおじさんに見えるけれどれっきとしたDJであるDJ KOOさんを比較して紹介。

DJ KOOさんは歯医者さんが苦手らしく、歯医者さんに行くときは奥さんに協力してもらうそうです。

キャベツも天敵であるアオムシに襲われた時、助っ人にアオムシサムライコマユバチを呼んでアオムシを撃退すると説明します。

有名人を使った解説は、どれも吹き出してしまうものばかり。

面白い説明が次々繰り出されるので笑いが止まらず、クセになってしまいます。

芸能人ネタだけではなく、政治ネタも盛り込んでいるのも面白いです。

四つ葉のクローバーで知られるシロツメクサは花びらのように多くの花が集まっている植物。

番組では「内閣」にたとえて表現しています。

シロツメクサは、新しい花と古い花が入れ替わることで美しさを保っているそう。

この特徴を、政治で失敗した時は首相の周りの仲間が責任をとっていなくなり、新しい仲間を入れることで常にクリーンな組織を保っていると説明していました。

内閣とシロツメクサの花の意外な共通点に驚かされます。

花のしくみを十分理解できるように、的確でユーモアあふれる解説ができるところがすごいですよね。

笑えて楽しくて、内容も興味深いのでどんどん引き込まれてしまいます。

ネタのキレも回を増すごとに上がっており、毎回観ていて飽きないですよ。

 

間の取り方、受け流し方はもはやコント!

本作がクセになる理由は、解説だけでなく林田アナと山田孝之さんの掛け合いにもあります。

この番組では、基本的に出演者の表情は真顔です。

言い換えるとほとんど表情を変えず、淡々と番組が進んでいきます。

真面目な番組かと思いきや開始早々に山田孝之さんらしい人が7人現れたり、ピコピコハンマーでおじさんを叩くことになったりと予想外の展開に。

おかしい場面でも林田アナは取り乱すことなく、そのまま番組は進行していくところがシュールで笑えてきます。

山田孝之さんと林田アナのまじめな表情と淡々とした口調に対して、映像に遊び心があって、そのギャップにも吹き出してしまうのです。

真剣に司会進行している姿がギャグやボケになるこの番組は、まるでコント番組のように面白く、気構えなく楽しめる番組だと思います。

番組の締めも面白いです。

自分は若い時から築き上げた資産がある、自分にはこの身を捧げたい人がいますなど、林田アナを落とそうとする山田孝之さん。

林田アナは彼の真剣な顔を見ても表情を変えず「さようなら」と手を振り、番組は終了します。

アプローチを華麗にスルーしていく林田アナですが、山田孝之さんはふられても表情を変えません。

なんとも言えない沈黙がどこかシュールで、思わずクスッと笑みがこぼれてしまうのです。

最初から最後まで笑えるシーンがあり、飽きることなく楽しめますよ。

 

実は貴重!分かりやすく理解できる資料映像

番組の展開こそコント番組風ですが、きちんと教養番組として成り立っているところも素晴らしいです。

番組では、ハチなどの虫が花びらの中に入っていく瞬間などを映像でわかりやすく解説しています。

調べると番組に使われている資料映像はNHKのアーカイブではなく、この番組のために収録したものもあるのだとか。

そのほとんどは、スタッフが汗を流して撮影した貴重なもの。

虫が花びらに止まるのを何時間も待ち続けたり、虫が花粉をめしべに付ける瞬間を撮影するために、半日ごとにピントを回しながら1週間カメラを回したままにしたりと、スタッフの労力を惜しまず撮影した映像だといいます。

リアルな映像があることで、山田孝之さんの解説が頭の中に入ってくるのです。

植物の生態をより身近に、興味を持って学べるこの番組。

さすがNHKと言いたくなる完成度の高い番組ではないでしょうか。

 

個性豊かなおじさん達と豪華ゲストの解説に注目!

この番組では個性豊かなおじさんやゲストが解説をサポートすることもあり、彼らの発言や行動にクスッと笑えます。

例えば、山田孝之さんと同じ服装の6人おじさん達と山田孝之さんが一緒に並んで登場する回がありました。

この回で紹介された植物はウメ。

ウメの木には、雌しべの付いた本物の花と雄しべしかない偽物の花が混在しているそうです。

ウメは雄しべのみの偽物の花をたくさん咲かせることで華やかに見せ、多くの虫を誘って受粉させています。

つまりおじさん達が雄しべだけの花を演じ、山田孝之さんが雌しべのある花を演じていたことがわかり、7人で見事にウメの生態を見事に再現していたのです。

また、梅の花を華やかに魅せるために偽物の花にコストをさいていないという説明も、山田孝之さんのギャラはうん十万円、対するおじさんたちのギャラは交通費で込み五千円と表現。

思わずクスッと笑みがこぼれますが、記憶に残りますよね。

おじさんたちのサポートによって植物の知らなかった生態に気づき感動できるところが本作の魅力なのでしょう。

時には頭を丸めてピコピコハンマーで林田アナに叩かれることも。

おじさん達の体当たりの演技を通して、植物の世界をより身近に感じるのではでしょうか。

第3回以降では豪華ゲストも解説に参戦します。

たとえば、第3回では歌手のジュディ・オングさんが、白いヒラヒラの付いた衣装を優雅に広げながら代表曲『魅せられて』を披露しました。

この回で紹介するカラスウリの花びらには白いヒラヒラがついています。

ヒラヒラにどんな意味があるのか、なぜジュディ・オングさんがゲストなのか、解説を通して明らかに。

「たったそれだけのためにジュディ・オングさんを呼んだの?」とあっけに取られるかもしれませんが、植物が生きていく上で考えた戦略には感心せずにはいられません。

第4回には、山田孝之さんと共演経験のある岡田将生さんが出演します。

岡田将生ファンである林田アナへの山田孝之さんのアプローチがとても面白く、終始楽しく観ることができますよ。

岡田将生さん出演回は、2021年3月5日に再放送されるのでぜひご覧ください。

 

植物から今を生きるヒントを学べる!

林田アナに想いを伝えようとするものの華麗にスルーされることで終わることが多い『植物に学ぶ生存戦略』。

チューリップやキャベツ、シロツメクサなど30分番組の最後を飾る回はメッセージ性が強く、考えさせられます。

たとえば、キャベツの回では「自分らしさ」や「自分のやりたいこと」に縛られるより、時代にあわせて柔軟に生きることの大切さを伝えました。

「自分らしくありなさい、自分のやりたいことをしなさい」は、親からの呪いの言葉だと山田孝之さんは言います。

自分のやりたいことをすることだけが人生の正解ではなく、他人の求める物に姿を変えながら生きていくのもひとつの人生。

自分の進路や人生に悩んだ時、この言葉がとても胸に沁みますね。

シロツメクサの回では、四つ葉のクローバーが人を幸せな気持ちにさせるように、権力者が民衆に平和な日々をもたらすことで、人々を思考停止にさせることに警鐘を鳴らしました。

一部の人間だけが幸せになるまやかしに気づき、世の中や政治に関心を持ち、どう生きるかを自分で考えて自分で決めよう。

格差社会を批判し、この社会を生きていく上で大切なことをこの番組は教えているのです。

この番組では、植物のしたたかな生存戦略をヒントに、私達の生き方を見直すきっかけを与えてくれます。

笑って楽しいだけでなく、深みのある内容に引き込まれる番組なのです。

 

最後に

『植物に学ぶ生存戦略』は、今まで観たEテレの教養番組の中でダントツで面白い番組です。

山田孝之さんと林田アナの少しシュールな恋の駆け引きをアクセントに、植物の凄さを笑いながら学ぶことができます。

政治ネタ、芸能ネタなんでもありカオスな作風ですが、自然と画面に釘付けになる魅力があるのです。

中毒性もあり、繰り返し観ても同じところで大笑いできますよ。

時代の変化にうまく適合して強く生きていく植物たち。

植物の生存戦略から今を生きていくヒントをもらえます。

2021年3月25日には待望の最新作が放送決定。

きっと前回よりも奥深い内容で、最高の笑いと一緒に届けてくれるでしょう。

過去のシリーズも、U-NEXTやNHKオンデマンドで視聴できます。

ぜひその面白さを体感してみてください。

やみつきになること間違いなしです。

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この"好き"を書いてる人

Asakura Mika

アニメと特撮、声優さんやアニメソング、俳優の山田孝之さんをこよなく愛するオタママライター。

推してる作品で、多くの人が楽しめる作品を中心に紹介します。

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