一通の手紙が導く奇跡の物語『ジュリエットからの手紙』

すくれ

『ジュリエットからの手紙』

この映画を観たことがありますか?

知らないという方も、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」はご存知でしょう。実はこの映画、元祖「ロミオとジュリエット」の舞台であるイタリアのヴェローナを再び舞台にして撮影され、2010年にアメリカで公開されたたロマンチックムービーなんです。

ラブロマンスかぁ~あんまり好きじゃないな~

と思ったそこのあなた!ちょっと待ってください!せめてこのページを読んでから、見るか見ないかの判断をお願いします。

この映画の楽しみ方は、ラブストーリーを追うことだけじゃないんです!これまでに何十回と繰り返し観てきた私が、その見どころと魅力を語り尽くします!

 

主要な登場人物

ソフィ

アマンダ・セイフライドが演じる主人公ソフィは、ニューヨーカー誌に勤務する事実調査員です。いつかライターになりたいという野望を持ちながらも、なかなか転身するチャンスが得られないまま日々奮闘しています。恋人のヴィクターと婚約中です。

ヴィクター

ソフィの婚約者です。ニューヨークに自身のイタリアンレストランを開くため、準備に明け暮れる忙しい毎日を過ごしています。イタリア料理に懸ける情熱は凄まじく、厨房は彼のワンダーランド。辺り一面に吊るされた試作品のパスタが彼の熱い想いを物語ります。

クレア

若かりし頃に、イタリアのヴェローナに滞在した思い出を持つイギリス人の婦人です。ヴェローナを去って50年という月日が流れた後、とあることをきっかけに思い出の地ヴェローナへ戻ってきます。

チャーリー

クレアの孫息子です。祖母に付き添い一緒にヴェローナへやって来ます。

ロレンツォ

かつてクレアがヴェローナに滞在していた際、恋仲にあった男性です。

 

以上、主要な登場人物はこの5人です。とってもシンプルでわかりやすいですね!

 

物語の舞台『ヴェローナ』

ヴェローナはイタリアのヴェネト州西部、ミラノとヴェネチアのほぼ真ん中に位置しています。アディジェ川という川が流れている川沿いの町で、「ヴェローナ市街」は世界遺産に登録されています。自然、建物、町並みの調和が魅力的でとても絵になる都市です。

また、シェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台でもあり、中でも「ジュリエッタの家」は恋愛のパワースポットとして世界中に知られています。恋の悩みを持つ女性たちが集まってくる場所です。

 

キーワードは『手紙』

みなさん、手紙は好きですか?現代はテクノロジーが発達し、手書きの手紙を書く機会、もらう機会は激減しました。最後に手紙を書いたのは、受け取ったのはいつですか?その瞬間の気持ちを覚えていますか?

この映画の中で最も重要な役割を果たすのがこの『手紙』なんです。想いを手書きの文字で綴ること、その手書きの文字に込められた思いを受け取ること、そして返すこと。言葉では言い表せない温度のあるやりとりがここにあります。この作品を通して、手紙の授受によってもたらされる心がじんわり温かくなる瞬間を思い出してみませんか。

 

物語のあらすじ

ソフィとヴィクターのハネムーンが事の始まりです。イタリアのヴェローナに降り立った二人ですが、旅先での二人の興味関心は一致しません。自身のイタリアンレストランの仕入れ先探しに一生懸命なヴィクターと純粋に観光を楽しみたいソフィの二人は、ついに別行動を選びます。

恋愛スポットである「ジュリエッタの家」を訪ねたソフィは、壁一面に貼られた手紙を目にします。世界中からやって来た恋に悩む女性たちが、自身の悩みの答えを求めてジュリエッタ宛に書いて残していった手紙です。

観光客がいなくなり静まり帰った夕刻、どこからともなくバスケットを持った一人の女性が現れます。壁に貼られた手紙を回収して去っていく彼女の後をつけていくと、ジュリエッタの秘書を名乗る数名の女性たちが、恋の悩みが書かれた手紙に一通一通返事を書いて送っていたのです。

ライターになる夢を持つソフィはその物語を記事にすることを思いつき、彼女たちに密着することにします。次の日、一緒に手紙の回収に行ったソフィは、壁の奥から古びた一通の手紙を見つけます。壁のレンガの奥に眠っていたその手紙は、イギリス人女性のクレアが50年前に書いたものでした。

クレアの手紙には、恋人ロレンツォとの駆け落ちの約束を守らなかった後悔が綴られていました。怖くなって逃げてしまったこと、彼を傷つけたことを悔いていました。

ソフィはその手紙にジュリエッタの秘書として返事を書かせてほしいとお願いし、クレアに返事を書く許可をもらいます。

手紙を投函してから数日後、イギリス人の青年チャーリーが事務所を訪ねてきます。祖母にこんな手紙を書いたのはどこの誰だ、無神経だ、と怒りをぶちまけ、手紙の差出人がソフィだとわかると彼女に暴言を吐き、その場を去ろうとします。しかし彼がクレアの付き添いでヴェローナに来たことを知ったソフィは、クレアに一目会いたい思いから彼の後をつけます。

クレアはかつての恋人ロレンツォを探しにヴェローナにやって来たのでした。まぎれもなくソフィからの手紙に励まされ、勇気を得て、50年という月日を経てようやく行動に移すことができたのです。孫のチャーリーはそんな祖母が傷つくことを心配していました。もしもロレンツォが見つからなかったら?もしも彼が覚えていなかったら?もしも既に亡くなっていたら?心配は尽きません。

次の日から車でロレンツォを探す旅に出るというクレアとチャーリーに、ソフィは自身も同行したいと伝え許可をもらいます。「ロレンツォ・バルトリーニ」というかつての恋人の名前、クレアのかすかな記憶、そのふたつだけを頼りに、ヴェローナに住む幾人ものロレンツォを手当たり次第に訪ねていく旅が始まります。

 

見る人を惹きつけるポイント

(ここから先はネタバレを含みます。見どころをくまなく知った上で鑑賞しても十分に楽しめる作品ではありますが、自己判断でお読みください。)

イタリアの絶景!

何といっても映像が美しいです。ヴェローナ市街の景色はもちろんのこと、3人がロードトリップをする道すがらの景色も絶景です。市街の観光地だけではなくイタリアに広がる大自然を見ることができます。果てしなく広がるワインヤード、海辺の町、小高い丘の上、車でしか行けないような山間の小道・・・すべての景色に釘付けです。いつか訪れたい場所にランクインすること間違いありません!

情景にベストマッチしたサウンドトラック

サウンドトラックがそれぞれのシーンに絶妙にマッチして余韻を残します!登場人物の心理描写がサウンドトラックによって行われていると言っても過言でないほど「音楽」により伝わってくる情報が濃いんです。見終えた後も情景と共に耳に残って消えません。

『一通の手紙』がもたらしたもの

キーワードでご紹介した通り、この物語は『手紙』を軸に動きます。ある日受け取ったたった一通の手紙により、人生が大きく動くことが想像できますか?手紙に書かれた手書きの文字、文章には、書き手の想いがこもります。想いのこもった文字はとても温かいものなのです。

ソフィが書いた一通の手紙によってクレアの人生は明るく開けました。そしてそれだけではありません。クレアとソフィの出会い、ソフィとチャーリーの出会い、この手紙はいくつもの奇跡を同時に起こしたのです。

信じる心

数々のロレンツォを訪ねても、かつてクレアが恋したロレンツォはなかなか見つかりません。同姓同名が何十人もいる状況で次第に希望は薄れていきます。

初めから奇跡を信じていなかったチャーリーは、ほらみろ、と言わんばかりです。かすかな希望を信じてやってきたクレアも、次第に諦めの気持ちが大きくなっていきます。そんな中、奇跡を信じて前向きでい続けるのがソフィです。直感を信じ、最後の瞬間まで諦めない彼女の一途さに励まされます。

ふたつのラブストーリー

この物語はクレアとロレンツォのラブストーリーだけが主題ではありません!お察しの方もいると思いますが、ソフィとチャーリーもまたロレンツォ探しの旅の中で恋に落ち、お互いを想い合うようになります。

ソフィとチャーリーの出会いは最悪でした。初対面のソフィに突っかかるチャーリーと、突然訪ねてきた青年に罵られたソフィ。互いに好感度ゼロ、むしろマイナスからのスタートでした。そんな二人が旅を経て次第に仲を深め、距離を縮めていく様子に思わずにやけてしまいます!

50年の時を経て届く想い

諦めた頃に果たすクレアとロレンツォの再会は涙なくして見られません!物語の最初からのあらゆる出来事、人々の想い、すべてがこのハッピーエンドに繋がるのです。

人の人生には様々なページがあります。一度は閉じたページをもう一度開く勇気を出したクレア、そのきっかけとなったソフィからの一通の手紙、奇跡を信じて背中を押し続けたソフィ、付き添い見守り続けたチャーリー、どれかひとつが欠けても二人の再会は実現しなかったのです。

別れ

チャーリーとの間に真実の愛を見つけたソフィは、ハネムーンから帰国後、婚約者のヴィクターに別れを告げます。

物語の冒頭からヴィクターは自分のことで頭がいっぱいで、婚約者のソフィに寂しい思いをさせていることが見て取れます。ソフィもそんなヴィクターに納得できていない様子が描写されています。それでも二人は婚約を継続し、ハネムーンを決行するのです。

出だしからずっと、この二人の関係には疑問を持ち続けることになります。最終的にソフィはヴィクターとの婚約を解消しチャーリーを選びました。

自分自身をソフィに重ね合わせることでパートナーとの関係性を、ヴィクターに重ね合わせることでパートナーに対する自身のスタイルを見つめ直すことができます。

キャリアアップ

ライター志望のソフィはハネムーン中にこの一通の手紙から始まったストーリーを書きとめ、帰国後に上司に見せまます。すると彼はこの『50年の時を経た壮大なラブストーリ』を出版することに決めたのです!二つの恋が成就しただけでなく、ソフィのキャリアでの成功も描かれています。この物語は何重にもハッピーな結末が約束された完璧なサクセスストーリーなのです。

 

おわりに

・忘れられない人を心の中に住まわせている方!
・叶わなかった恋、ほろ苦い恋愛を経験をしたことがある方!
・彼氏はいるけどマンネリを感じている方!
・運命の相手との出会いを夢見ている方!
・恋愛なんて遠い昔に終えたわ、という方!

ひとつも当てはまらない方はこの世に存在しないはずです。一つでも当てはまる方、つまりは現代を生きるすべての方に、ぜひこの映画を見ていただきたいです!

心がじんわりと温かくなることを保証します。この作品を観ることで、日々の生活に追われ忘れてしまっている大切な何かを取り戻すことができるはずです。

最後に、ソフィがクレアに向けて書いた手紙の一説をご紹介します。

「もし」と「あの時」は、それぞれ普通の言葉にすぎません。

でもその2つを合わせると、あなたを一生苦しめる力を持つのです。

 

「もしあの時・・・」

物語の結末はわからない。でも、かつて真実を感じた愛なら、遅すぎることはありません。かつて真実なら、今も真実のはず。少しの勇気を持ち、心に従って。

人生は選択の繰り返しです。

「もしあの時・・・」

クレアだけではなく、誰もが一度は自身の過去の選択に想いを馳せたことがあるでしょう。

あなたが『ジュリエットからの手紙』を受け取ったら、どんな決断を下しますか?この映画を通してぜひそれぞれの「もしもあの時・・・」に向き合ってみてください。

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この"好き"を書いてる人

すくれ

世界を飛び回ることが大好き!40ヵ国以上を旅する中で大好きな場所、人、景色、食べ物など、様々な大好きを見つけてきました。「人生は大好きのコレクション」をモットーに生きています。

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