知らないなんてもったいない!ロシア音楽入門

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クラシックでもファンの多いロシア音楽。

ここ数十年で日本でもかなり親しまれるようになりました。

 

チャイコフスキーのバレエ音楽『白鳥の湖』や、ハチャトゥリアンの『剣の舞』は誰もが一度は耳にしたことがあると思います。

ロシア音楽は彼らの作品だけではありません。たくさんの名曲が知られないまま、まだ眠っています。

 

また、作曲家だけでなく演奏家も注目されていて、特にピアノにおいてはそれが顕著です。近年のコンクールでは必ずと言っていいほどロシア人演奏家が上位入賞しています。

 

この記事はロシア音楽に魅せられた筆者プレゼンツ『ロシア音楽入門』になります。これをきっかけにロシア音楽に興味を持ってくださったら幸いです!

 

 

ロシア音楽史

それではまず簡単なロシア音楽史をお話しします。

以下ロシア音楽家として紹介する人物の中には、現在はロシア領ではなくなっている地域の出身者も含まれます。

 

ロシア音楽の最古の史料は15世紀頃のものと言われており、それ以降は遡ることが難しいとされています。

五線紙が使用されたのは17世紀後半。当時のヨーロッパではすでに五線紙が使用されていました。

18世紀後半には音楽の勉強をするために、音楽家がロシアからヨーロッパに派遣されます。そしてロシア人作曲家が活躍し始めるのは、19世紀後半のこと。

現在に至るまで150年程度しか経っていませんが、それまでの間に急激な発展を遂げました。

 

また、ロシアはドイツ・フランス・イタリアなど音楽主要国と宗教が違うことも重要です。

西ヨーロッパではキリスト教が信仰されているのに対し、ロシアでは東方正教が信仰されてきました。

キリスト教では礼拝の際にコラールや讃美歌を歌い、オルガンや合唱、管弦打楽器による演奏・伴奏もされます。

しかし東方正教は教会内での楽器の使用を禁じていました。許されたのは合唱と鐘だけ。これがロシアの器楽音楽の発展が遅れる原因とも考えられています。

 

 

歴史に名を残した音楽家

それでは作曲家を中心にみていきましょう。

先ほど述べたように、19世紀後半からロシア人音楽家が活躍し始めます。

 

ミハイル・グリンカ(1804年)

近代ロシア音楽の父とも呼ばれます。グリンカはドビュッシーが多用したことで有名な全音音階を、代表作の『ルスランとリュドミラ』(1842年)でも用いています。作曲当時ドビュッシーはまだ生まれていません(ドビュッシーは1862年生まれ)。

 

ピョートル・チャイコフスキー(1840年)

その36年後にみなさんご存知のチャイコフスキーが生まれます。チャイコフスキーは一度法務省の役人になりましたが、退官し音楽に専念するようになります。余談ですが音楽家には法律関係の勉強をした人が多く、シューマンやストラヴィンスキーも法律を学びました。

チャイコフスキーといえばバレエ音楽が有名ですが、他にも功績があります。彼はロシアの音楽教養レベルを上げようと、ロシア民謡の旋律を使って弦楽四重奏を作曲しました。それが『弦楽四重奏第一番』です。第二楽章に使われるメロディーはロシア民謡で、この曲は特に海外で評価されました。

 

ロシア5人組

チャイコフスキーが西洋音楽に則ったものであるのに対し、民族的な音楽を追求していた人々もいます。それが、ロシア5人組という作曲家グループです。

メンバーはミリイ・バラキレフ(1837年)、アレクサンドル・ボロディン(1833年)、ツェーザリ・キュイ(1835年)、モデスト・ムソルグスキー(1839年)、リムスキー=コルサコフ(1844年)。

バラキレフは職業音楽家といえますが、それ以外の4人はアマチュア音楽家です。ボロディンは医者であり、著名な化学者でもありました。

この五人の作品のなかで日本で最も知られているものは、ムソルグスキー作曲の『展覧会の絵』ではないでしょうか。この曲はピアノ用に作曲されたものですが、テレビでよく耳にするものはのちにフランスの音楽家ラヴェルが管弦楽用に編曲したものです。

 

アレクサンドル・グラズノフ(1865年)

近年日本でも演奏頻度が上がってきている作曲家です。教育者としても活動し、自分を犠牲にしてまでも教育環境や苦学生の学習のために尽力しました。『アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲』や『ピアノソナタ第一番 作品74』など素晴らしい曲がたくさんあります。さらなる評価向上・演奏頻度向上を期待しています。

 

アレクサンドル・スクリャービン(1872年)

独特な響きのする神秘和音を使い作曲しました。リズムや響きがかなり複雑なので、はじめはとっつきにくさを感じるかもしれません。しかしスクリャービンは聴けば聴くほどハマっていってしまう不思議な魅力があります。

右手を故障してしまったっため、スクリャービンのピアノ曲は左手が非常に難しくなっています。

 

セルゲイ・ラフマニノフ(1873年)

厳しい師匠のもとで修練を積み、モスクワ音楽院をピアノと作曲で卒業しました。手がとても大きかったことがよく知られていて、楽譜をみるとごく当たり前かのようにかなり広い音域の和音がずらずらと並んでいます。作曲家としては19歳の時の作品『前奏曲 嬰ハ短調 作品3ー2』で成功します。しかし『ピアノ協奏曲第一番』が酷評され一時はうつ状態になってしまいますが、その後治療の一環として作曲した『ピアノ協奏曲第二番』が大成功を納め、復活します。

 

イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882年)

20世紀の最も重要な作曲家の一人です。一つの作風に固執せず、たくさんの技法で作曲をしました。バレエ音楽がとりわけ有名なのですが、かなり衝撃的な音楽と振付になっています。彼のパトロンはココ・シャネルで、映画も作られました。

 

セルゲイ・プロコフィエフ(1891年)

幼少期から音楽的才能に目を見開くものがあり、九歳にしてオペラを作曲していました。ピアノソナタやピアノ協奏曲、子供のための音楽作品『ピーターと狼』やバレエ音楽『ロミオとジュリエット』など数多くの名曲があります。

ラフマニノフやストラヴィンスキーなどロシア国内の混乱から他国に拠点は移した音楽家が多い中、プロコフィエフはロシアにとどまり続けました。

 

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(1906年)

ソ連体制下で活動したのでプロバガンダ作曲家といわれていたこともありますが、証言からそうではなかったことがわかり再評価されました。自分の書きたい音楽が自由に書けず葛藤しましたが、作品中にこっそり反抗の跡がみられます。

交響曲で有名な作曲家ですが、二台ピアノや弦楽四重奏なども良いですよ。

 

他にも偉大な音楽家がたくさんいますが、おすすめ曲紹介に移ります。

 

 

おすすめ曲

筆者のおすすめを3曲厳選しました。

ロシア音楽はドイツ、イタリア、フランスとも違う、音色の独特さがあります。

YouTubeにすべてあるので、同じ曲でも違う演奏家で聴き比べるのも楽しいです!

 

ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第二番 作品18』

ラフマニノフの音楽は「鐘」が重要な要素になります。冒頭のピアノの和音も鐘の音に聞こえてきませんか?

第2楽章の穏やかな楽想も、第3楽章の軽快な音楽も素敵なので、ぜひ全体を通して聴いてみてください!

 

プロコフィエフ『ピアノソナタ第一番 作品1』

プロコフィエフのソナタで個人的に一番好きなのがこの第一番なので紹介します。冒頭の下行音形、メロディー、どこを聴いてもかっこいいのです。

プロコフィエフのソナタは他にも名曲があり、特に第三番や第七番は勢いがあって聴いていてすっきりします。

 

ショスタコーヴィチ『交響曲第五番 作品47』

日本では革命という副題で呼ばれることもありますが、実際にショスタコーヴィチがつけたものではありません。世界でも演奏頻度が高く、特に第四楽章が有名です。古い音源になりますが、ムラヴィンスキー指揮のものがおすすめです。

 

 

最後に

ロシア音楽はなかなか触れる機会のないものかもしれませんが、とても奥が深いのです。ところどころ説明が難しくなってしまいましたが、みなさんが少しでもロシア音楽に興味を持ってくださったら幸いです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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